企業のSNS運用は『7つの習慣』でうまくいく

自社の運用
  1. 01主体性
  2. 02目的
  3. 03優先順位
顧客との関係
  1. 04Win-Win
  2. 05顧客理解
  3. 06シナジー
07技術と道具を磨き続ける

企業のSNS運用について考えるとき、「何を投稿すればいいか」「どうすればフォロワーが増えるか」という話になりがちです。もちろん、投稿内容や見せ方は大切です。でも、企業として運用を続け、仕事の成果につなげるには、その前に考えたいことがあります。

インフルエンサーのように個人の発信力を伸ばす方法を、そのまま企業に当てはめる必要はありません。企業には、商品や仕事への理解、集客、販売、採用など、発信を通して達成したい目的があります。

誰に向けて、何のために発信するのか。忙しい日々の中で、どうやって続けるのか。発信を通して、お客さんにどんな価値を届けるのか。

私がこうしたことを考えるとき、思い出すのがスティーブン・R・コヴィーの著書『7つの習慣』です。コヴィーは長年にわたる成功に関する文献を研究し、人や組織が成果を生み出すための原則を七つの習慣にまとめました。SNSの専門書ではありませんが、企業のSNS運用にも通じるところが多いと感じます。今回は七つの習慣を、企業の発信に置き換えて考えてみます。

第1の習慣 主体的である

「本業が忙しい」「投稿する時間がない」「担当者が決まらない」。企業がSNSを始めたり続けたりするとき、こうした事情は実際にあります。それでも、発信を大切な仕事だと考えるなら、誰かが時間をつくり、判断し、動かなければ始まりません。

本業が忙しい
発信する時間を確保
担当が決まらない
担当と協力者を決める
確認する時間がない
確認の場を予定に入れる
担当者任せにせず、会社として運用する。

主体的であるとは、気合いだけで毎日投稿することではありません。なぜ発信するのかを社内で共有し、担当する人、協力する人、確認する時間を決めることです。担当者一人の頑張りに任せきりにせず、会社として運用する覚悟を持つ。そこが最初の一歩だと思います。

第2の習慣 終わりを思い描くことから始める

企業がSNSを始める目的は、それぞれ違います。地域の人にお店を知ってもらいたい。自社の商品を必要とする人に届きたい。採用で会社の雰囲気を伝えたい。既存のお客さんとの関係を深めたい。

SNSを通して自社で何を達成したいか集客・販売・採用など
届ける相手誰に届くと
目的に近づくか
発信する内容何を伝えると
行動につながるか
見るべき成果何を確かめると
前進がわかるか
目的から逆算して、日々の投稿を選ぶ。

目的が違えば、届ける相手も、投稿する内容も、見るべき結果も変わります。採用が目的なら、求人情報だけでなく、働く人や日々の仕事が見える発信が必要かもしれません。商品への理解を深めたいなら、特徴を並べるだけでなく、どんな場面で役立つかを伝えることが大切です。

まず「SNSを通して、自社で何を達成したいのか」を決める。その終わりの姿から逆算すれば、日々の投稿を選びやすくなります。

第3の習慣 最優先事項を優先する

今日投稿したから、明日すぐにお客さんが来るとは限りません。企業の普段の発信には、今すぐの集客より、時間をかけて積み重なる価値があります。

緊急緊急ではない
重要今日の対応問い合わせへの返答先に時間を確保情報資産をつくる役立つ投稿を積み重ねる
重要ではない細かな確認必要以上の数字チェック惰性の投稿目的が曖昧な発信
情報資産将来の信頼・ブランド

お客さんが知りたいことに答える。仕事への考え方を伝える。商品やサービスの使い方を説明する。実際の取り組みを紹介する。一つひとつは小さな投稿でも、役立つ情報が重なると、会社を知り、信頼してもらうための情報資産になります。

忙しいと、こうした発信は後回しになりやすいものです。だからこそ、緊急ではないけれど重要な仕事として、発信の時間を先に確保する。将来の集客やブランディングにつながる土台を、日々つくっていくのです。

第4の習慣 Win-Winを考える

企業がSNSを使う以上、認知や問い合わせ、売上につなげたいと考えるのは自然です。一方で、見る人にも「知れてよかった」「自分の問題を解決できそうだ」と思える価値が必要です。

お客さんの利益悩みが解消する知れてよかった
役立つ発信双方の価値が
重なるところ
企業の成果会社を知ってもらう問い合わせ・売上
お客さんに役立つことが、企業の成果にもつながる。

例えば、商品を紹介するときは、機能を伝えるだけで終わらせず、どんな悩みに役立つのかを具体的に示す。イベントを告知するときは、日時だけでなく、参加すると何を得られるのかを伝える。お客さんに役立つ情報が、結果として企業を知ってもらうきっかけにもなります。

企業の成果とお客さんの利益が重なるところを探す。その視点があれば、発信の内容はもっと考えやすくなります。

第5の習慣 まず理解に徹し、そして理解される

ビジネスは、お客さんの問題を解決し、望む状態に近づけることだと思います。だからSNSでも、自分たちが伝えたいことを考える前に、お客さんが何に困り、どうなりたいのかを理解することが欠かせません。

  1. まず聴く質問・会話
    コメント
  2. 悩みと願いを理解何に困っているか
    どうなりたいか
  3. 解決する情報を届ける商品・サービスの
    価値が伝わる

問い合わせでよく聞かれることは何か。購入前に不安に思うことは何か。利用後に喜ばれるのは、どんな変化か。普段のお客さんとの会話には、発信の手がかりがたくさんあります。コメントや質問にも耳を傾けたいところです。

その理解をもとに、解決につながる情報を届ける。お客さんの立場から話すことで、初めて自分たちの商品やサービスの価値も伝わりやすくなります。

第6の習慣 シナジーを創り出す

企業が発信した情報は、受け取った人の経験や課題と掛け合わさることで、発信した側が想像していなかった価値を生むことがあります。

企業の情報商品・仕事・取り組み
×
お客さんの経験課題・使い方・気づき
=
新しい価値思いがけない
活用や発見
反応を受け取り
次の発信・商品づくりへ

例えば、商品の使い方を紹介した投稿を見て、お客さんが自分の仕事に合う別の活用方法を思いつく。会社の取り組みを知った人が、自分の課題を解決するヒントを見つける。投稿をきっかけに質問や意見が届き、それが次の発信や商品づくりにつながることもあります。

企業が情報を届け、お客さんが自分の状況に引き寄せて新しい意味を見いだす。さらに、その反応を企業が受け取る。この行き来から生まれる価値こそ、SNSならではのシナジーだと考えています。

第7の習慣 刃を研ぐ

運用を続けるには、投稿を繰り返すだけでなく、発信の質を高めることも大切です。伝え方を学ぶ。写真をきれいに見せる方法を試す。動画の撮影や編集を練習する。投稿への反応を振り返り、次に生かす。こうした積み重ねが、伝える力を育てます。

技術を磨く
  • 写真の見せ方
  • 動画の撮影・編集
  • 反応の振り返り
道具を使いこなす
  • iPhone・カメラ
  • 照明・マイク
  • 目的に合わせて選ぶ
発信の質を高める伝え方と表現の幅が広がる

iPhoneで撮るのか、カメラを使うのか。照明やマイクは必要か。機材も目的に合わせて選び、使いこなしたいところです。写真の色や明るさ、声の聞き取りやすさまで意識して、道具と技術を一緒に磨く。そうすることで、発信の表現の幅が広がります。

七つの習慣は、SNSだけに当てはまるものではない

今回は『7つの習慣』を企業のSNS運用に例えて考えてみました。でも、これは発信だけの話ではないと思います。

集客なら、誰に選ばれたいのかを決め、相手の悩みを理解して接点をつくる。販売なら、売りたいものを伝える前に、お客さんが望む結果を知る。商品づくりなら、使う人の声を取り入れ、価値を一緒に育てる。採用なら、会社が求める人材だけでなく、働く人が何を大切にしたいのかも考える。そして、どの仕事でも学び続け、方法を磨いていく。

目的を持って主体的に動き、重要なことを積み重ね、相手を理解し、互いに価値を生み出す。『7つの習慣』を意識すると、SNS運用だけでなく、集客も販売も、商品づくりも採用も、より良い方向へ進められるのではないでしょうか。